子育て情報CHILDCARE

「成長痛」

原因分からず、突発的に/スキンシップで様子を見よう
 子育て中の親にとって、子どもが痛みを訴えるときほど心配なことはない。それも突然で原因が分からなければ、なおさらだ。三-六歳の子どもによくみられる「成長痛」もそんな病気の一つだ。
 「イターイ。足がイタイヨー」。東京都内に住む会社員の長男(四つ)が就寝前に突然、ひざのあたりを押さえて痛みを訴えた。ぶつかったり転んだりした様子はない。足を見ても出血したり、はれたりもしていない。曲げたり伸ばしたりすると痛みが出るわけでもない。「どうしたの?」。子どもに聞いても明確な返事はない。ただ、漠然とひざ周辺の痛みを訴えるばかりだ。数十分ほど、足をさすると痛みも治まったのか、スヤスヤと寝息を立て始めた。翌日の昼間も元気に走り回っていたので大丈夫かと思ったが、その夜、再び痛みを訴えたため、病院にかかったところ「成長痛では」と言われた。
 成長痛は最近、育児書などでも紹介されているが、幼児期の子どもに何の前触れもなくみられる原因不明の痛みが夕方から夜半にかけて起きること。独立行政法人国立病院機構・箱根病院(神奈川県小田原市)の坂巻豊教副院長の調べでは、
 ①就寝前29%②夕方26%③夜中24%④朝13%の順で、
昼は少ない。夜間は親も眠れなくなるし、すぐ病院にも行けないため、不安やイライラを助長しがちだ。痛みは主にひざ、ふくらはぎ、足関節、大腿部など下半身に現れ、上半身にはほとんど無い。関節炎などの痛みの場合、ひざの「この部分」と特定できるのに対し、成長痛では漠然と周辺の痛みとしか答えられないことが多いという。痛みの程度もさまざま。完全に痛みがなくなるまでの期間も、数日から数ヶ月におよぶ場合もある。 原因ははっきりしていないが、「妹や弟ができ、親の関心が急に向かなくなったときなどにみられ『かまってほしい』という子どもの訴えでは」(坂巻さん)などとみられている。
 治療法は特段なく、鎮痛剤などを処方されることもあるが、坂巻さんは「成長痛はほかに考えられる疾患がないときにつけられる病名。鎮痛剤を安易に使用することで、隠れた疾患を確認できなくなる可能性もあるので控えたい」と説明する。夜間、泣いて痛がっても翌日はケロッとしていて、昼間の生活に支障が出ることは少ないため「基本はさすったり、スキンシップをはかりながら様子をみてほしい」。小児期にみられる下肢痛で、成長痛と間違われやすい疾患には、単純股間節炎をはじめ、子どものリウマチ・小児特発性関節炎や骨腫瘍などの病気があり放置は禁物だ。
 坂巻さんは「あくまでエックス線や血液の検査などをして、こうした疾患を除外できて初めて成長痛と診断できる。成長痛と診断されれば、心配ないんだと考えて診察を受けてほしい」と話している。
 成長を疑うポイント
  ①痛みが昼間まで持続しない
  ②痛みが強まらない
  ③痛い場所がいつも異なる       【控えたい安易な鎮痛剤】
子どもたちの足が弱くなっている。外で走り回って遊ぶなど、足を使う機会が減っているのが原因の一つのようだが、家の中でも工夫次第で足を鍛えることはできる。医師など「足の専門家」で作るNPO法人「オーソティックスソサエティー」(東京)は2001年から4年間、千葉県内の幼稚園児約300人の足のサイズや足裏の形を測定した。約70%は小指が内側に曲がる「内反しょうし」だった。半数は、指が地面に着かない状態の「浮き指」。「外反ぼし」も約5%いた。兵庫教育大学名誉教授・原田碩三さん(71)の調査でも、5歳児で土踏まずがある子は、1980年の75%から04年は46%に減り、浮き指のない子は93%から8%に激減した。原田さんは「『踏ん張る』ことができない子どもが増えている」と指摘する。同NPO理事長整形外科医の内田俊彦さん(57)は「転びやすい、駆けっこが遅いという子は、指でしっかり地面をとらえていないことが原因かもしれない」と言う。足は体のバランスに影響を及ぼす。特に、足の裏にアーチを作りクッションの役割も果たす土踏まずが大事だ。アーチと足首が弱いと、かかとで支えるため、重心は後ろに寄る。上半身でバランスをとろうと猫背になり、肩こりや腰痛になることもあるという。足の健康の助言もする靴店「アスリートクラブ」社長の三宅秀敏さん(57)は、2万人以上の足を観察した経験から、子どもの足の〝退化〟を実感している。「電子ゲーム遊びなどで、室内でじっとしている時間が長いと足は弱まる一方」と話す。〝退化〟を防ぐには、歩き始めた時期から、足の骨が出来上がる10歳ぐらいまでの間に、とにかく歩かせること。鬼ごっこやドッジボールなど、瞬間的に前後左右に動く外遊びは最も効果がある。室内でも足は簡単に鍛えられる。内田さんは「つま先たちで腰を下ろしたそんきょの姿勢で、手で押し合う遊びは、土踏まずを作る」と話す。また、三宅さんは、かかとにかかる重心を前に移すストレッチを勧める。まず、大判で厚めの雑誌で6~7㌢ほどの段差をつくる。かかとを地面につけ、指の付け根部分を雑誌に乗せ、アキレスけんを、ふくらはぎの筋肉を伸ばす。約3分間、じっと立ち続けているだけでも効果がある。足指を強くするには、足指でのじゃんけんや、「結んで開いて」の要領で指を開く運動が良いという。踏ん張る際に重要な小指に意識を集中させることが大事。三宅さんは「『結んで開いて』を1日20回程度、1か月続ければ、それだけで歩くバランスが良くなる」と話している。(読売新聞より)