子育て情報

言葉の訓練に最適

親子のコミュニケーションにも ―なぞなぞで遊ぼう―
雨が多いこの季節、外遊びができなくてストレスもたまる。そんな時には、親子でなぞなぞを楽しんでみてはいかが。子ども向けのなぞなぞ本を利用してもいいし、自分たちで作った問題を出し合ってもいい。親子のコミュニケーションが深まり、子どもが言葉に興味を持つきっかけにもなる。「体中骨だらけ、登ったりくぐったりするものなーに」
「ヒントはー?」
「公園にありまーす」
「何文字?」
「7文字。最初は『ジャ』」
「ジャングルジム」
「ピンポーン」
埼玉県春日部市のT幼稚園で、年長組の子どもたちがなぞなぞに挑戦していた。先生の土井絵理さん(24)が問題を出すと、我先にと大きな声で答える。当たると大喜びだ。 絵本の読み聞かせに力を入れている同園では、絵本の前になぞなぞをすることが多い。「子どもたちが集中するし、友達と意見を出し合う練習にもなる。正解してうれしいという気持ちが『もっともっと』というやる気につながるようです」と土井さん。園長の丸島高三さん(63)は、「テレビやビデオに子守りさせてしまう家庭が多いが、10分でいいから子どもと向き合う時間を作ってほしい。なぞなぞはいいきっかけになります」と話す。
書店の児童書コーナーをのぞくと、様々ななぞなぞの本が並んでいる。大きく分けると、問題をたくさん収めた「なぞなぞ本」と、絵が主体の「なぞなぞ絵本」がある。 東京・銀座の書店「教文館」の担当者は、「最近は、分厚いなぞなぞ本を求める親が多い」と話す。シリーズ化されたものやロングセラーも多く、あかね書房が1977年に初版を発行した「なぞなぞあそび1 おはようぴょこたん」は、現在までに170刷、146万部を記録している。
こうした本を参考にして、親子でオリジナルのなぞなぞを作って遊ぶのも楽しい。「ぴょこたん」シリーズ作者の、このみひかるさん(77)は「まず答えから考えるといい」とアドバイス。例えば、スプーンを見たら、「洞くつの入り口まで、食べ物を運んでくれるものなーに」。難しく考えなくても、「パンはパンでも食べられないパンはなーに」など、知っているなぞなぞを子どもに問いかけるだけで、「子どもは喜んで、自分でどんどん作り始めますよ」。
一方、「なぞなぞ絵本」では、美しい絵と言葉が楽しめる。
岡山市の児童書専門店「えほんのくに吉備」代表で、絵本の読み聞かせ活動をしている河口純一郎さんは、「本来のなぞなぞは、ある物を別の言葉で表現する暗喩。良質な絵本にはそれがあり、言葉の訓練にもなります」と話す。
例えば、「ぐりとぐら」で知られる中川李枝子、山脇百合子のコンビによる「なぞなぞえほん」に出てくるのは、こんななぞなぞ。<かなしいとみずがでてうれしいとほそくなる びっくりするとまるくなりねむいときにはふたをする> 答えは「目」だ。
埼玉県の小学校で読み聞かせボランティアをする「子供と本の会・MOMO」会長の詩村あかねさん(41)に「お薦めなぞなぞ絵本ベスト5」を選んでもらった。=下記表=
「言葉のリズムが美しいなぞなぞ絵本は、読んでいて楽しい。親子のコミュニケーションを深めながら、言葉や本に興味を持たせる
きっかけにもなります」と詩村さんは話している。
詩村あかねさんの選ぶ「なぞなぞ絵本」ベスト5
①「なぞなぞえほん」1のまき~3のまき
(中川李枝子作、山脇百合子絵、福音館書店)
②「なぞなぞなーに」はるのまき・なつのまき・あきのまき・ふゆのまき
(いまきみち作、福音館書店)※版元品切れ。図書館で探してみよう。
③「なぞなぞねずみくん」
(なかえよしを作、上野紀子絵、ポプラ社)
④「なぞなぞぞうくん」
(フジイ・フランソワ作・絵、偕成社)
⑤「なぞなぞあそびうた」、同Ⅱ
(角野栄子作、スズキコージ絵、のら書店)

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